中国1688、淘宝の特徴とリサーチのポイント                

               

By山口 雄太

2021年 3月 19日 , , , , ,                                

皆様、こんにちは。
イーウーパスポートです。

春節も終わり、弊社中国現地事務所でも仕入れ、検品、発送と慌ただしい日々が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

新型コロナウイルスの影響で不安な日々を過ごされているかと存じますが、一日も早い事態の収束を心よりお祈り申し上げます。

一部都道府県での緊急事態宣言が、ようやく解除となりそうですが、まだ新規感染者もいる中、
外出は極力控え、テレワークが中心の生活が続いていくものと思われます。

ですが、活動を止めることはできず、特にコロナの影響を受けやすい業種などはこれを機に新事業を始めるなどのニュースを目にしますが、
個人事業主や副業としても注目されやすいネット物販業界はかつてないほど需要が高まっています。

弊社でも新規にご入会いただく方が増加しておりますが、
やはり 「中国仕入れは初めて」 という方が多く、
中国仕入れサイトの違いなどを、よくご質問いただきますので、
今一度中国仕入れで多用するタオバオ(淘宝)、アリババ(1688.com)の違いについてや、
検索の際のポイントについて解説させていただきます。

 

アリババグループとは

中国貿易で個人ネットショップを運営されている方はほとんどがアリババが提供するプラットフォームからの仕入れをされています。

日本でもソフトバンクが株主なことや、アリペイが進出していたりしますので、物販をされていない方でも名前は聞いたことがあるという方が多いかと思います。
上記はアリババ集団の提供サービスですが、アリババ、タオバオだけでなく、それ以外にもIT系分野や金融系、他分野に広く進出しており、中国で生活する上ではアリババが提供するサービスを使わないというのは考えにくいほどの巨大企業です。

中国輸入においては、メインとなる仕入先は1688(国内版アリババ)を筆頭にタオバオ、天猫が中心となります。

ですがこれらのECモールから仕入れをする場合は、中国に住所を用意したり、代行会社などを通じて仕入れる必要があります。

個人で中国に会社を設立し、社員を雇って貿易を行うにもコストが高くつきますが、
代行会社を利用すれば、荷受、検品(不良品返品対応込)、セット組、発送を任せることができますので少ないコストと、労力で取引ができます。

中国に拠点やパートナーを用意せず、海外版の天猫国際やアリエクスプレス、アリババ.comで英語でやり取りをして直接仕入れをすることもできますが、

FOB条件であれば船会社、通関の手配、
直送でしたら不良品は廃棄となりますし、
価格も国内に比べて高くなる傾向がありますので不良品が発生しやすく、同商品を扱うライバルが発生しやすい中国貿易では1688から仕入れができる代行会社の存在価値は高いものになります。

各モールの特徴について

【タオバオ(淘宝)】
中国最大のCtoC、BtoCモール

小売ですのでイメージとしては日本にあるような楽天、アマゾンなどと近く、1個から購入ができます。

アリババと比較して価格は高い傾向にあり、
個人出店や問屋等が多いので、OEMなどには向きません。
※中には自社でロゴ入れの機械などを所有して1個からOEM対応している場合もあり、小ロットはタオバオが取り回しが効きます。

不良率は1688と比較して少ない印象で、販売店自体がパッケージなどを作っていることもあり、いわゆる転売向きです。
小ロット多品目や、テスト仕入れであれば十分活用できます。

ユーザー数は5億人、商品点数は10億を超え、アマゾンジャパンの約10倍の規模を誇ります。

Tmall(天猫)
タオバオ内BtoCモール

単独のアプリもありますが、淘宝との明確な分類はなく淘宝の検索結果にも混在して表示されます。

イメージとしては
楽天、Yahooショッピング=天猫
ヤフオク、メルカリ=淘宝
ですが、淘宝は企業も出店しています。

天猫の出店にあたっては、
中国の営業許可証
販売ライセンス証明
取り扱い商品の商標登録証など
様々な資料を提出し、審査を受けます。
保証金、年会費 、売上手数料など様々な費用を支払う必要があり敷居が高い分、淘宝と比べて信用度はあります。
出店企業は「7日間理由なし返品」を受け付ける義務もあります。
ユニクロ、アイリスオーヤマ、ワコール、不二家など日本の名だたる有名企業も出店しています。

店舗や商品によっては保税区から直送など、中国国内向けに海外製品なども販売する店舗などもあります。
値段は淘宝と比べて高い傾向にありますが、品質がしっかりとした商品が多いです。

【アリババ(1688.com)】
中国最大のBtoBオンライン卸売市場

中国輸入物販をされる方の主戦場であり、弊社でも主力の仕入れサイトです。

雑貨、アパレル、食品、工芸品、エレクトロニクス、原材料、工業用部品、農業用製品および化学製品など
多様なカテゴリから膨大な数の工場、卸売業者が出店

価格は全体的にタオバオよりも安く、取引量が多くなるほど安くなります。

数多くの出店業者がOEM、ODMに対応しております。

出店費用は名前の通り、年1688元だったそうですが、2688元、3688元となり、今では6000元~(出店形態により)と値上がりが続いています。

factory.1688.com(找工厂)
1688内

その名の通り、工場のみを選択肢としている場合、工場に絞って検索ができます。
1688TOPページよりfactory.1688.com(找工厂)に切り替えするだけで利用できますが、始まってから年数が経っていないので、1688に出店している工場でも未開通で表示されないことも
大量発注でのODMなどが前提の本格的な仕入れをされる方向けです。

上記プラットフォームの区別は、
価格:1688≒1688找工厂<淘宝≦天猫
ロット:淘宝≒天猫<1688≦1688找工厂
品質:1688找工厂≦1688<淘宝≦天猫 ※業者による
対応:淘宝≒天猫<1688≦1688找工厂
となります。

リスクを最小限に、少ない資金からメルカリやヤフオクで
テスト販売という方は淘宝をメインに手堅く、
オリジナルブランドを育ててアマゾンや楽天販売なら
OEM/ODMがやりやすく価格の安い
1688から仕入れていただくと良いかと思います。

1688、淘宝リサーチ方法

リサーチ方法は、文字入力、画像2つの方法があります。
見かけた気になる商品が中国でいくらで仕入れられるのか、1688や淘宝でのリサーチをされる方も少なくありません。

例えば街中で見つけた気になる商品など、写真を撮って後から簡単に検索もできます。
しかし画像検索は便利な反面、
精度が低いジャンルなどもあり、あくまで補足的な使い方になります。

代行会社や現地パートナーがいればキーワード検索から精度の高いリサーチが可能です。

弊社ご利用のお客様でも多くの方が、この商品は中国語でなんと言いますか?と、

確認いただき、それをコピペして検索されていらっしゃいます。

検索一覧画面の情報について

検索一覧画面で確認ができる主な情報は、
「リピート率」、「成約額」、「経営年数」、「企業形態」です。

経営年数が長く、リピート購入があって評価の高い業者を探すのが闇雲に片っ端からあたるよりは効率よく比較的良い業者を探しあてられることにつながります。

上記画像ではその内2つの情報が確認できます。


青枠「复购率」=リピート率です。
結果中国国内需要で価格が安い、中東やアフリカなど品質要求が低い、いわゆるサクラを大量に活用して売上を伸ばしているなど、様々な理由が考えられますが、仕入先選びでの一定の指針にはなりえます。

赤枠「表示されている年数」営業年数です。
長く営業=何かしらのストロングポイントがあるのは間違いありませんが、
「实力商家」※下述  の商品ではそのスペースに实力商家と表示されるため、年数が表示されません。

左記下段の画像は商品画像にカーソルを合わせた時に表示される画面です。
わかりやすく上段の通常表示と比較できるように縦に並べました。

先ほどの画面では出ていなかった情報で、
青枠「回头率」は同じIP、アカウントで2回以上商品ページを見られた場合のカウントです。

「回头率」と「复购率」の違いですが、
「复购率」=オーダーを基軸
「回头率」=PV率
ですので「回头率」が高く、「复购率」が低いと
リピート注文がないので何かしらの問題がある。
単に広告をかけて露出が多い可能性もあります。
※中国でも人によっては「回头率」も「复购率」と同じリピート注文と認識している方もいます。
「复购率」はリピート注文であり、同じ意味合いを別表現で掲載することもないかと思います。

緑枠は経営形態です。
生産加工=工場、経销批発=問屋です。
ただし問屋が工場として出店している場合もあり、アテにならない場合も多いので、確認が必要です。

なお、1688の出店業者経営形態は4つございます。

1688にはどんな業者が出店しているのか?

青枠「经营模式」より確認ができます。

・生産加工
文字通り生産加工、工場を指します。
・経销批発
自己資本にて経営する卸問屋です。
・招商代理
商品を買い取らず、工場の代理で販売、マージンを得る中間業者です。
・商业服务
工場の代理で1688サイト自体を代理運営していたり、その他サービス業などの業種も含まれます。

上記経営形態とは別に、
赤枠の、「实力商家」だけ表示する絞り込み機能もあります。

工場、直営店、代理店が混在しています。

实力商家のポイントは
①バイヤー向けの保障サービス(納期遵守、一定の品質、不良品交換)を提供していることと、
②ある程度の事業規模を有す企業
のみこの分類に登録できるということです。

また、工場の場合:資本金50万元またはプラント面積800平方メートルを有すること
代理店の場合:資本金30万元、ブランド認証または代理店ブランド認証を有すること
が条件になっています。

※中国での資本金信頼性については別途お調べください。

ちなみに個人事業主であれば6888元~/年で出店もできますが、
实力商家は36,800元~/年で、更に保証金16,000元と数倍のコストがかかります。

比較検討できる情報

オーソドックスに店舗情報の王冠/メダル/ダイヤマーク数をチェックするという方法もありますので、そちらも合わせて確認をされるのが良いかと思います。
ただし取引量に応じて昇格してしまうステータスもあり、サクラを使って順位を上げる行為が横行している現状を考慮しますと、
あくまで判断材料の一つとして扱い、複数の情報から総合的に判断されるのが無難です。

実際に比較してみましょう。

今回はこちらの1688ランキングより運動用スウェットで比較します。

共に生産工場で価格も同じです。
営業年数も2社とも浅く、そこまでの違いはありません。
実は片方は工場直営、もう片方は工場の店舗が営業しているなどといったこともありますが、そのあたりは直接チャットで確認すると意外と正直に教えてくれたりします。
1位は1ヶ月で7件の注文、2位は1件の注文です。
店舗情報の下部をクリックすると、ストアパフォーマンスが確認できます。

こちらは1位の業者詳細ですが、
赤枠は過去90日間の合計注文数(左)、リピート購入率(右)、
青枠は上から平均出荷速度、平均返品受付処理速度、90日間の返品率、90日間のアリババカスタマー介入率(トラブル)、90日間のクレーム率、
緑枠は顧客からのレビュー評価が店舗全体で確認できます。

商品ページについて

商品ページを開くとまれに镇店之宝、潜力商品や金冠商品と目立つ場所に表示されることがあります。
Amazonで言うAmazon’s choiceに近い意味合いがあり、
簡単に説明すると1688おすすめの売れる可能性がある、ないしは売れ筋商品です。

残念ながらこの条件に絞って検索ができないのですが、

镇店之宝=その業者の売れ筋商品です。
镇店之宝にも等級があり、高いほど同店舗内の多くの商品に镇店之宝を設定できます。

潜力商品(款)=镇店之宝の右側に表記されていますが、
1688システムが直近1ヶ月間での3日以内発送の注文数や
リピート率などを基に自動判定しています。

金冠商品=上記に同じ
潜力商品よりも更に高い評価基準で注文数、クレーム率、
リピート率などを基にシステム側で自動判定、表示しています。

これらの条件を満たした商品にこの記載ができるようです。
ただし金冠商品はかなり数が少なく、滅多に巡り会えません。

その他、ダイヤのマークで超级新品もありますが、こちらは
同型商品が3つ以下、30日以内の新商品、セラーが大きな違反行為をしていないことなど
上記と比較して低い条件で表示ができるようです。

最後に

慎重に仕入先を選んでも、全く取引経験のない海外業者へいきなり発注するのはどの国との貿易でも一定のリスクがあります。
いくらオンライン上で細かく精査しても、得られる情報には限りがあり、現物確認は欠かせません。

平時であれば、弊社の様な代行会社が提供するアテンドサービスを使用して、現地で直接福田市場に行って現物確認、交渉(場合によっては経営者と直接)もできますが、今の現状ではいつ渡航できるようになるかがまったく見通しが立ちません。

いずれのルートで仕入れる場合も最低限サンプル確認は必須ですが、
1社ずつ試してしまうと時間ロスが発生しますので、数社同時進行することを推奨いたします。
時間の短縮もそうですが、品質など比較できますので、より精度が上がると思います。

不良品対応についてもサンプル注文前に確認をされるのが無難です。
日本で販売するため基準が厳しいことを伝え、どの程度不良品対応に応じてくれるかを確認すれば、
品質に自信のない業者やアフターサポートをしてくれない業者は
大半がそこで断りますので、発注前に篩に掛けられることもあります。(約束を反故にされることもありますが…)

ただし1688での不良品交換は
統一の対応基準でなく、店舗ごとに設定しています。
原則交渉ベースになる上、店舗の担当者が退職して言っていることが180°変わるといったこともあります。
しっかりと交渉してくれて検品まで対応してくれるパートナーがいなければトラブルに見舞われるリスクが高くなります。

 

総括しますと
・ネット検索では得られる情報が限られるのでサンプルは必ず確認
・仕入れ前に日本向け、基準が厳しいことを伝える
・信頼できる代行会社を選ぶ
これをするだけでリスクが軽減可能です。

 

可能であれば、
工場にお歳暮を送ったり、定期的に訪問するなど関係作りをしていくとより良いです。

人間関係が重視される中国ですので、先の失敗を未然に防ぐためにもお心がけください。

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