こんにちは。
イーウーパスポートの大和です。
イーウーではあっという間に春が終わり、夏が始まろうとしています。
イーウーパスポートもお客様の厚いご支持を賜り、倉庫が手狭になってきた為、引越しを予定しています。引越しをするのにエアコンを移動させてしまった為、現在はエアコンの無い事務所となり、初夏の暑さの中、熱中症になりかけながら毎日を過ごしております。
さて、昨今は中国輸入ビジネスに興味を持ち、初めて中国ビジネスを行う方も多く、色々な不安を抱えておられる方も少なくないように感じます。
また、オリジナル製品を作る為、OEMやODMを始めたところ、想像と違って難航しているという方も、いらっしゃるかと思います。
今回、工場を視察する機会があった為、現場ではどのように製品を作っているか、工場見学をしていきたいと思います。いざオリジナル商品を作ろうと考えても、製造工程を理解していないと、とんでもないロット数を求められ、びっくりしてしまいます。
お邪魔した工場は浙江省にある、とある家庭用小型ラックなどを生産する工場です。
原材料はこのようなパイプ材と、プレスする板材がメインでした。
他にもこのような材料がありましたが、何になるか想像できますでしょうか。
正解は、このようなメッシュ地の素材でした。こんな形に変わるなんて、面白いですね。
OEMをするにあたり、注意しておきたいのが材料の最小ロットです。
パイプについてはある程度決まったサイズを揃えているので、色々な商品に同じ素材が使われていることが分かります。切断する寸法を変えれば流用が効きます。ただ、このメッシュ地の材料はどう見ても1ロールで購入が必要だと予想できます。
恐らく、オリジナルサイズを生産するには1ロールを使い切る量が必要になる。ということは、最小ロットの数が多くなります。要注意ですね。
よく、製造する際に治具(冶具・ジグ)とか金型という言葉を聞くと思います。
中国語ではどちらも【模具】と呼ばれていて、ジグと金型の区別がありません。どのようなものか、見たことの無い方も多いと思いますので、見学していきましょう。
下記の写真は穴抜きなので金型だと思います。
パイプを差し込んで、止まった所で位置を決め、矢印のように押して穴を開けています。その為、穴の位置が変われば同じ金型を利用することはできません。
こちらは赤丸部が位置決めジグで、部品の青い所を溶接しています。かなり簡素化されたジグですが、位置を決める為にもこうしたジグは必須となります。
プレス機の近くには金型が置かれています。この金型が多くあれば、それだけいろんな種類の製品を作っている目安にもなりますね。
金型と製品の形が違いますので、下の製品をこの金型でプレスするのを待っているんでしょうね。1回のプレスで全部形作るのではなく、このように何工程にも分けてプレスすることも少なくありません。
赤丸の位置に穴が空いているのでまず位置決めの穴を先にあけています。金型にピンがあるのでそこで固定され、ほぼ同じ製品が制作出来るよう工夫されています。ただプレスすれば良い、というわけでは無いため、製造するには色々なノウハウが詰め込まれているのが分かりますね。
穴あけの金型と似ていますが、ドリル(orエンドミル)がありますし、キリコが落ちていますので穴あけ加工の位置決めジグですね。穴を一つ開けるのに、このようなジグがあるため、同じところに穴があいているんですね。
また、これだけでなく色々な工程もロットに影響してきます。
良いアングルでは撮影できていないのですが、わかりますでしょうか。
わかりにくくて申し訳ないのですが、塗装工程です。
この工場では粉体塗装が採用されていました。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、2020年12月から中国で「VOC(揮発性有機化合物)」規制の適用が始まり、特に塗装に関して厳しくなって来ています。
粉体塗装はVOCがほぼゼロ、またCO2の排出量が少ないことから、中国でも今後の発展が期待されている塗装方法です。1回の塗装で膜厚も厚く、耐久性も高く、錆びにくい、理想的な塗装です。
ただし、デメリットとして、色の調整が面倒で、前処理に時間がかかる、大型の設備が必要、などがあり、物販に求められる「短納期」、「小ロット多品種」に弱いとされています。
ということはあまりにも数が少ないと数が断られますし、日常的に使う色に併せて発注する方が、数が少なくても受注してもらえる確率が上がると推測できますね。
今回の見学では下記の3点に気をつけることが分かります。
①材料の最小ロット
➁冶具、金型の作成
③塗装工程
一般的には、金型は費用がかかる為、請求されることが多く、買い手も認識していますが、ジグなどは個別で請求はありませんので、買い手も意識していません。しかし、製造するには穴一つ開けるにもこうしたジグを考慮し、製作し、実際にちゃんと製作で使用出来るか確認しなければ、商品の生産ができません。恐らく50個や100個でオリジナル商品を作ることは出来ない、ということが分かります。逆に考えると、これらの条件が無い(もしくは流用可能)な製品であれば、小ロットでも十分オリジナル商品が作れる可能性が高まります。
よく大量のロット数を求められる物として、プラスチック成形用の金型が挙げられます。プラスチックは単価も安く、大量生産が必須となってくるため、オリジナル商品を作成するには特に気をつけるところです。なるべく大量生産されている、標準品を使用するように工夫しなければなりません。
如何でしたでしょうか。実際にご自身の目で確認しないとわからないかとは思いますが、何か少しでもヒントになることがありましたら幸いです。
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