何故?上手くいかないOEM                

               

By大和友己

2020年 6月 29日 ,                                

皆様、いつもお世話になっております。

イーウーパスポート(YP)の大和です。

最近OEMについてのお問い合わせをいただく事が多く、上手くOEMが出来ないとのご相談を受けます。そこで今回は中国工場がどのように考え、どのような判断基準で回答しているかを考えてみたいと思います。

キーワードになるのは「利益(メリット)」です。

まず物販におけるOEM、ODMという言葉は下記のようなニュアンスで用いられています。

OEM=簡単なカスタマイズ(オリジナル化)

ODM=設計を変更するくらいのカスタマイズ(オリジナル化)

製造業での意味とは全く違い、本来OEM、ODMは共に工場側に大きなメリットがありますが、物販でのOEM・ODMは勿論商品の売上にはなりますが、購入者の単なる要望になることが少なくありません。

OEMを断られる内容を、工場側の視点から見るとより理解が出来ると思います。

分かり易いよう、具体的な例で見てみます。

●OEM内容:50*100袋(特注サイズ)を最小ロット500枚で作ってください。

 袋が1枚0.5元と仮定し、500枚×0.5元=250元(1元16円の計算で4000円)の注文となります。

工場の原価を仮に50%としても利益は2000円しかありません。

機械の設定を変更したり、切断用の加工治具を新たに製作したりする手間や費用があるのに対し、利益が2000円しかなければ工場は断ります。工場に「利益」が無い為です。そもそも原材料の最小ロットが2000枚分くらいになれば工場は赤字になってしまいます。

●OEM内容:製品の全長を2cm長くしてください。

 製品の素材が何かによりますが、プラスチックや鋳物、鍛造品など多くの素材は型が必要になります。金型費は日本に比べ非常に安いのですが、ここで数量が200個 単価20元などですと売上が4000元、原価が50%としても利益が2000元、日本円にして約32,000円です。金型費は別途発生しますが、金型を設計・製作して新規にラインを作るとすると、工場は手間も掛かる為、断ってきます。このケースでもやはり工場側は自社の「利益」を考えています。

ではどのようにOEMを工場にしてもらうか。交渉方法は色々ありますのでそこが手腕の見せ所になると思います。

 日本企業が他社でOEM生産する際に良く使う方法としては、簡単で利益もある流れ品を最初に発注し、その後に利益が低く面倒な案件を依頼します。勿論面倒な案件は嫌がられますが、簡単で利益のある流れ品がある為、断れない状況を築きます。

 ただ、これは資金に余裕があれば有効な方法です。工場の協力を得るため色々な対策を講ずることは、時間的にも余裕が必要です。弊社代表の佐藤がその著書でも簡易OEMをオススメしている理由の背景には、こうした理由があるからです。

 簡易OEMと呼んでいる手法だと、ロゴを入れる、オリジナルの袋を作る、オリジナルセット組にするなど、どれも工場側への負担が少なく、単純に生産品を購入するのと同様です。工場も手間がかからない為、例え2000円程度の利益でも販売してもらえる可能性がグッとあがります。

「それでもOEM、ODMにこだわる!」とおっしゃる方に工場とコミュニケーションを取るいくつかの小ワザをご紹介します。

・日本人は品質要求が高く工場に嫌われる傾向にある為、そこを逆手に取り中国より低い品質要求に留める。(不具合も販売者で裁き、工場に取引しやすい相手だと感じさせる)

・営業職を経験した方は分かると思いますが、工場を訪問し、一緒にご飯を食べる。(古典的ですが、結局一番効果的です)

・「今は200個しか買わないけど、来年には毎月2万買う」と将来のビジョンを売り込む。(上手く話せば将来性を信じて小ロットでも動いてくれます。嘘をつくのでは無く、夢を売り込みます)

 お金をかけずに成功させるには、結局人の心を動かす何かが必要だと考えます。

いかがでしたでしょうか。OEMを受けて貰えない、という時には一度工場とwin&winの条件を提示できているかを確認し、お互いが利益を享受できることを意識し、是非OEM、ODMをイーウーパスポートで成功させましょう!

何か一つでも参考になりましたら幸いです。

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